第76回長北医学会にて報告
第76回長北医学会 令和6年10月27日(日)
長門市地域医療連携支援センター研修室にて
文責 院長 村松 慶一
長北医学会は、毎年萩市医師会と長門市医師会の医療人が集まり多職種で一緒に勉強する場で、80年近い歴史ある学会です。年1回開催で、今年は長門市医師会が担当でした。昨年は、当院から7演題を発表しましたが、今年は一般講演の21演題のうち以下の8演題を発表しました。
中浜先生は業務中にもかかわらず、白衣で発表に来られました。大変立派な発表態度と講演内容でした。Daniela先生は現在当院に来られている外国人(フィリピン)研修医師です。下腿3頭筋の悪性腫瘍に対してマイクロサージャリーを駆使した機能的筋肉移植による再建術を英語で発表しました。
特別講演は山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学講座 教授 太田 康晴 先生より 「commonかrareかnovelか?多面的な視点から考える内分泌代謝疾患」の御講演がありました。
いずれの演題も会場から多くの質問があり、有意義な討論ができました。本学会をご準備いただいた関係者の皆様、大変ご苦労様でした。ありがとうございました。
第73回日本農村医学会学術総会にて報告
第73回 日本農村医学会学術総会 2024年10月14日(月)~15日(火)
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターにて
文責 院長 村松慶一
日本農村医学会は、全国JA厚生連が主催する学会であり、昨年は秋田で開催されました。今年は新潟県厚生連 佐渡総合病院 病院長の佐藤賢治先生が学会長で、新潟市 朱鷺メッセにて開催されました。当日、会場は多くの若者であふれており、「今年は参加人数がえらく多いなあ」と思っていましたが、実はGenerationsというバンドのコンサートがかぶっているのがわかりました。どおりで、皆さん学会に来るような服では無く、ロックで盛り上がるような激しい恰好でしたね。
当院からは2演題が発表されました。
私が発表した整形外科のセッションでは、リハビリの先生方も多く発表されていました。学会で発表することは、特に若い方には大きな財産になります。自分が正しいと考えている意見が他の人にはどのように響くのか?そして、どう変えていくべきなのか?変えないべきなのか?これを確認するのは学会しかありません。どうか、今後も継続して発表されることを望みます。
本学会の開催にご尽力された方々、大変ご苦労様でした。来年、本学会は岐阜大垣で開催されるそうです。関ヶ原合戦場のそばですね。来年も是非参加させていただきます。
第67回日本手外科学会学術集会
病院長 村松慶一
私が奈良を訪れるのは10年ぶりでした。奈良駅を降り東大寺の方へ歩きましたら、何と!外国からの旅行客と修学旅行の学生さんたちが多い事に驚きました。(そして鹿も!)今回はシンポジウムで講演の機会を頂き、「腱球占拠率にこだわった母指CM関節形成術」というタイトルでお話しさせていただきました。講演後総合討論があり、熱い気持ちになりました。手を専門にしている先生は、どうも職人気質のこだわりと匠の技を持っている先生が多く、討論になるとヒートアップして紳士ではなくなります。この熱さが、私にはちょうど合っているんですね。来年は横浜で開催されます。
第64回 山口県農村医学会
文責 村松
当院からは以下の4演題が発表されました。(敬称略)
1.「TIBCに着目したHIFPH阻害薬の適応決定・用量調整法」 泌尿器科 北原誠司他
2.「非典型的手根管症候群」 整形外科 Mary Rose Gonzales他
3.「病院間の情報連携と医療Digital Transformation対応」 医事課 久保崇彦
4.「長門総合病院における地域連携部門の取り組みと今後の課題」 地域医療福祉連携室 松野多希子他
調べてみますと、2018年奈良県の宇陀市立病院、2019年多摩北部医療センター、2020年福島県立医科大学附属病院がランサムウェア被害を受けています。件数は最近急増しており、2020年では計16病院等の被害が報告されています。個々の病院の対応準備が急務になっています。
第41回中部日本手外科学会
私が講演させていただいたシンポジウムは、「母指CM関節症」で、これまで行ってきた腱球形成術の臨床成績を報告させていただきました。後半の討論会では、各手外科専門医シンポジストから多くの個性的な意見が出され、実に面白かったです。
私が松本に行ったのは2回目でしたが、市内からは雄大な日本アルプスが望めます。松本城は国宝で、真っ黒な城壁と真っ白なアルプスのコントラストは見事です。夜は氷点下8度まで下がりましたが、空気は澄んで体の中から浄化されるような気持ちになりました。実に素晴らしい学会でした。
学会に報告するという事は、今まで行われていなかった新しい手術を開発した等の、威張れる発表をしがちです。今回、波利井先生がこう言われました。「曲芸を使って、手術をすべきではない。」手術は、100% 絶対に成功しなければなりません。新しいチャレンジを試す場では無いとお話になりました。これまで外科学はチャレンジの積み重ねで発展してきたのは確かですが、うまくいくかどうかわからないような曲芸的な手術は決して行ってはいけないと。流石だなぁと思いました。波利井先生が言われたので、とても重い言葉だなぁと感動しました。
今回、私はシンポジウムにて講演の機会を頂き、「マイクロサージャリーを応用した四肢悪性腫瘍切除後の機能再建」と題して発表しました。本当に多くのご意見、ご質問をいただき誠にありがとうございました。また、これまでいろいろ私にご指導いただいた玉井先生や土井先生に感謝申し上げます。
第159回 山口県整形外科医会
今回、一般口演29演題、特別講演が行われました。当院からは山下陽輔先生が、「軟部腫瘍との鑑別を要した仮性動脈瘤の1例」、フィリピンから来られたRachelle Jasmine先生が、「Intra-osseous tophaceous gout of a bipartite patella mimicking aggressive bone tumor 活動性の高い骨腫瘍と鑑別を要した分裂膝蓋骨に生じた痛風結節」の2演題を発表しました。また、杉本英彰先生には第1セッション骨粗しょう症の座長を、谷泰宏先生には第2セッション膝・股関節の座長をお願いしました。
特別講演は山口大学名誉教授の河合伸也先生にお願いしておりましたが、本年2月に突然ご逝去されましたので、河合先生がすでに作成されていたスライドを私が代読させていただきました。講演名は、「整形外科を振り返って」で、これまでの歴史だけでなく、これからの整形外科医への熱いエールもありました。
県内より整形外科の先生約90名がご参加され、一般演題や河合先生の言葉を聞いていただきました。ルネッサ長門で医学会が行われるのは初めてという事で、ちょっといつもの学会と違う雰囲気がとても新鮮でした。会場の先生方より、大変素晴らしい内容の学会だったとお褒めの言葉をいただきまして、ほっとしております。
第146回 西日本整形・災害外科学会学術集会
沖縄県宜野湾市 沖縄コンベンションセンター
最優秀プレゼンテーション賞をいただきました。
文責 院長 村松慶一
口演名は、「先生、ブラジルを背負って医者をがんばってください。」で、ブラジルのジャージを着ながら、熱く語らせていただきました。内容は詳しくは述べれませんが、命の尊さや医師としての生きがいなどを、私のこれまでの経験をもとにお話ししました。多くの先生から、お褒めの言葉をいただきました。
演者の中で私が最も年寄りでしたので、ご忖度のおかげで最優秀賞をいただきました。ご担当の琉大の皆様、御参加の先生方、演者の方々、大変お疲れさまでした。そして、素晴らしい企画で口演の機会をいただき、ありがとうございました。
第75回長北医学会
文責 院長 村松慶一
一般演題は計18題ありまして、そのうち当院からは以下の7演題が発表されました。
1. 金属針補助下PTAの有用性 泌尿器科 松下 広憲先生
2. 当院における直腸脱の臨床経験 外科 久我 貴之先生
3. 当院の放射線治療について 放射線治療科 荒田 克昭先生
4. 高齢~超高齢CKDにもフォシーガは必要か? 泌尿器科 北原誠司先生
5. 3000g超えの巨大子宮筋腫に対し、腹腔鏡で子宮全摘術を施行した2症例 産婦人科 中島健吾先生
6. 肩関節痛、肩こりへのエコーを用いたアプローチーその症状、あきらめないでー 整形外科 谷泰宏先生 挿入歌付き
7. 成人で診断された先天性橈骨頭前方脱臼-2例報告と文献考察 整形外科 Rachelle Jasmin先生
いずれの演題も会場から多くの質問があり、有意義な討論ができました。今後も、当会には多くの演題を発表させていただき、北浦地区の医療レベル向上に寄与したいと考えております。
来年も秋に開催され、長門が担当になります。
第72回日本農村医学会学術総会
あきた芸術劇場ミルハス及び秋田市にぎわい交流館AUにて
文責 院長 村松慶一
当院からは3演題が発表されました。5階病棟の波多野早紀さんは、「外国人看護補助者を初めて受け入れる看護職員の意識調査」と題して、今回のテーマであるSDGのセッションで発表されました。当院には、ミャンマーからの看護補助者に入職していただいています。現在5人がおられ、大変頑張って仕事をしてもらっています。外科の重田匡利先生は、「保存的治療を行なった運送業務中の事故による 外傷性食道破裂の 1 例」を発表されました。私は、「人手のかからない手外科 Common disease 手術 の工夫」と題して発表しましたが、質問はほとんどが当院に来られる外国人留学医についてでした。大変お疲れさまでした。
来年は、新潟で開催予定です。
私は特別講演の機会をいただき、私の専門分野である手に関して。「社会参加に向けた手外科Common diseaseの治療」と題して、1時間の講演をさせていただきました。この会は、リハビリの作業療法や理学療法の先生、義肢装具を作成する先生、医師、看護師など多職種が参加されますので、今回は手に興味を持ってもらうことを目的にお話しさせていただきました。なぜ人は右利きが多いか?人間とゴリラの手の違い、クジラの手は人間とそっくり、アメリカ人は親指を指と数えない、コアラの親指は2本ある、パンダに指は7本ある、等の話を交えて、多くの聴衆の方々に手への興味を持っていただいたのではないかと思います。
もし、このHPをご覧になった方で一度私の話を聞いてみたいというご希望がありましたら、出張講演いたします。是非、当院へご連絡ください。
特に印象的だったのは2点です。各国の医療事情が大きく違いますので、全ての患者さんにとって最良の選択肢が得られないという現実があります。日本の骨肉腫の子供はMade in Japanの人工関節を用いて再建しますので、普通に歩けるようになります。しかし、後進国の子供たちは人工関節が使えず、いまだに切断に近い方法で手術を受けています。それでも学会では同じ土俵で討論することになりますから、我々はそのことを理解していなければなりません。それにしても、東南アジアやインドの先生方はとても熱く語ります。この情熱的な気持ちから見習うことが多いです。
もう一つ、今回中国からの演題が多くありましたが、会場には一人も来られずWeb発表でした。どの発表も優秀で、頑張っているなあーと敬服しました。なぜ会場に来られないかは、ご存知と思いますが政治的問題で、これまでお互い旅行すら行けませんでした。しかし、本年8月から民間往来が一部解禁になりました。これは大きな変革だと思います。今後、学術的交流がもっと改善し、引いてはアジアの医療レベルが向上することを願っています。
次回は、2025年インドネシア、ジャカルタの予定です。
今回は2つの特別講演をさせていただきました。Jaffeのトライアングルセミナー 「マイクロサージャリーを骨軟部腫瘍外科へ」と、シンポジウム 上肢悪性骨・軟部腫瘍の再建術:課題と対策にて、「手指に発生した骨、軟部悪性腫瘍の治療成績」を発表しました。多くのご意見、ご質問をいただきまして、誠にありがとうございました。実りの多い講演をさせていただき感謝です。
Jaffeのトライアングルとは、腫瘍外科医Jaffe先生が約100年前に提唱した概念で、臨床医、放射線科医、病理医が三位一体となって、悪性腫瘍を治療しなさいという教えです。この概念は、今も何だ変わりません。正しい教えは、どんなに時間が経っても色あせず支持されていきます。
長門総合病院では、骨軟部腫瘍の専門外来に取り組んでおります。紹介状は要りませんので、手足のしこりなどお困りならばご相談ください。出来ましたら、HPで事前予約をし受診していただければ確実です。
第158回山口県整形外科医会にて口演
文責 村松慶一
令和5年6月24日(土) 下関市立病院にて第158回山口県整形外科医会が開催されました。当院から3編の口演がありました。
山口県厚生連長門総合病院 整形外科
○Fidelis Marie Corpus-Zuniga、村松慶一, Lou Mervyn Tec, 杉本英彰, 山下陽輔、谷泰宏
○村松慶一、Fidelis Marie Corpus-Zuniga、Lou Mervyn Tec, 杉本英彰, 山下陽輔、谷泰宏
Fidelis先生はフィリピンマニラから留学されている整形外科医です。4月から当院へ来られ、9月まで手外科やマイクロサージャリーの勉強をされます。口演の内容は大変難しいのですが、背骨の骨折の後に骨盤が後ろに傾いたため、大腿骨と坐骨が衝突し痛みで歩けなくなった患者さんの治療を報告しました。
山下先生は、4月から当院へ赴任された常勤の整形外科医です。今回は、二の腕の筋肉と申しましょうか、上腕二頭筋が遠位で断裂した3症例を報告しました。3口演ともに多くの質問やご意見をいただき、大変白熱した発表となりました。ご苦労様でした。
次回の本学会は長門総合病院が主幹で、11月25日長門市ルネッサながとで開催予定です。
今回は、私の専門分野である骨軟部腫瘍のセッションで、「流蝋骨症Melorheostosis:骨腫瘍との鑑別と治療」と題して発表しました。流蝋骨症は、100万人に1人発症する稀な疾患です。今回当院で治療した2例を報告し、その診断や治療を考察しました。発表時間と討論の時間が同じくらいに予定されていましたので、各大学から多くのご意見、ご質問をいただきました。大変有意義な討論ができ、誠にありがとうございました。
第66回日本手外科学会にて口演
私の口演名は、「鏡視下手根管開放術(ECTR)後に発生した医原性神経損傷の原因」という題名で、発表させていただきました。特別講演には、元巨人軍の高橋由伸選手が来られました。今回の主催が慶応大学で、彼も慶応出身ですのでお声がかかったようです。これまで4度のけがの手術を受けておられ、その苦労話や少年野球の課題などを熱く語られました。今後、もう一度高橋選手が巨人軍のユニフォームを着る時が来るのではないでしょうか。
第63回山口県農村医学会(日本農村医学会山口地方会)が当院で開催されました。
(1) 局所麻酔下胸腔鏡下掻爬術を行った低呼吸機能合併急性膿胸の一例
長門総合病院 外科 〇池下貴広 久我貴之 重田匡利 矢野由香
(2) 腹腔鏡下膿瘍ドレナージにより早期にADLが改善した高齢者骨盤内膿瘍の1例
長門総合病院 産婦人科 〇鷹巣剛 中島健吾 中島博予
(3) 蜂刺傷により急性腎不全を呈した1例
長門総合病院 泌尿器科 〇和田隼輔 福田昌史 松山豪泰
(4) 外国人看護補助者の受け入れ状況と課題ー生活、仕事に対する質問紙調査の結果からー
長門総合病院 看護部 〇大田冨美代 久行恵美 久保江律子 中谷ますみ 三笠優子 花島まり
(5) 当院の新型コロナウイルスワクチン接種実績について
長門総合病院 医事課 〇久保崇彦
関係者の皆様、3年ぶりの開催でもあり学会の準備本当にご苦労様でした。大変実り多い学会となりまして、感謝申し上げます。
第40回中部日本手外科研究会、第10回中部日本ハンドセラピー研究会
極寒で雪が降りしきる中、本学会が広島県医師会館で開催されました。会長は私の友人である、広島大学の砂川融先生でした。中部日本地区で手を専門としている医師とリハビリの先生方250人以上が集まる大きすぎる研究会で、来年から学会へ格上げされることが決まりました。
砂川先生の発案で、診断や治療が難しかった症例を報告しようという主旨になり、多くの口演がありました。私は「パチニ小体形成異常」というタイトルで口演させていただきました。会の途中で、広島大学の若手女性医師が能をされており、お披露目がありました。ルネッサ長門ではよく公演されていますが、じかに見たのは初めてで、凛とした立ち振る舞いに感動でした。
第49回日本マイクロサージャリー学会学術集会
第157回山口県整形外科医会
長門総合病院 整形外科
Lou Mervyn 村松慶一 Ian Magtoto 谷泰宏 小林将人 杉本英彰
2.指神経障害を起こした腫瘍性疾患の鑑別と顕微鏡視下手術
長門総合病院 整形外科、手外科診療センター
村松慶一 谷泰宏 Ian Jason Magtoto Lou Mervyn Tec 小林将人 杉本英彰
マービン先生は8月に当院に来られ、4か月手の手術や顕微鏡の手術の研修をされました。いつもニコニコされて、当院の職員からだけでなく患者さんからも大人気の先生でした。こちらでは、計4つの学会報告と1編の英文論文を書かれました。短期間でありましたが多くの経験をされ、大変勉強になったと思います。フィリピンに帰られても、ながとで学んだことを忘れずに、マニラの方々を助けてあげてください。
さて12月から、JOSE MARI SALVACION DYCHIOCO先生が来られます。マニラ出身で、ジョム先生とお呼びします。長門総合病院には今後10名の留学医師が来られます。各先生ともに、多くの経験をしていただきます。
第55回中国四国整形外科学会、第81回中国四国手外科症例検討会
倉敷を訪れるのは10年ぶりでした。秋の学会も終盤を迎えています。この度、倉敷アイビースクエアーで中国四国の学会があり、2口演を行いました。手外科症例検討会では、各大学が治療が難しい症例を持ち寄り、1例を15分くらいかけてじっくり討論します。手外科を専門とする外科医は、どうも自分の考えをとことん押し通す傾向が強く、自然と議論が白熱します。私が駆け出しのころは、演者台で汗をかきながら、目の前で繰り広げられる先輩の意見の打ち合いをただ見入っていました。若い先生方も多く参加されるので、忌憚のない考えをいろいろ聞かされ、とても勉強になったと思います。
第144回西日本整形・災害外科学会
病院長 村松慶一
2022年11月12日(土)・13日(日)に第144回西日本整形・災害外科学会学術集会が開催されました。今回は山口大学が主幹でしたので、ANAクラウンプラザホテル宇部で行われ、九州、山口の整形外科医約400人が参加されました。今回は当院から4題の演題、講演がされました。
1) 「変形性膝関節症に対するジクロフェナクエタルヒアルロン酸関節内注射とヒアルロン酸関節内注射の比較検討」 小林 将人
2) 「安永尖刀の再考―超音波エコーガイド下腱鞘切開術の治療成績」 Lou Mervyn Tec
3) ランチョンセミナーにて講演 「真なる寛解を目指した関節リウマチ診療~関節エコーとみちびく治療戦略と痛みへのアプローチ~」 谷 泰宏
4) 第57回西日本骨軟部腫瘍懇話会にて講演 「マイクロサージャリーを骨軟部腫瘍外科へ」 村松慶一
参加された先生から多くのご評価いただき、実り多い学会となりました。
今回の学会で私が注目したのは、AI(人工知能、artificial intelligence)を整形外科に応用した発表が多くされたことです。例えば、現在人間を区別するために顔認証がされていますが、歩き方にも個性があって、歩容の認証が警察でもすでに使われているそうです。歩く姿をスマートフォンで撮影すれば、それが誰かわかるという事です。また、歩容が悪くなっている患者さんの原因がAIで診断できるそうです。人工関節の手術などはすでにAIが手伝っていますが、時代はその先へどんどん進んでいます。ワクワクしますね。
第38回山口県リハビリテーション研究会
令和4年11月3日(文化の日)山口大学医学部附属病院にて 第38回山口県リハビリテーション研究会が開催されました。県内のリハビリ関連の先生方 約60名が参加されました。当院から報告された口演は以下の3編です。
1.「ばね指の治療:総説とリハビリテーション」
第139回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会
本学会は、本州中部地方から西方面の整形外科の先生が参加する学会です。本年春に、「ばね指手術;安永尖刀を再考する」という演題を日本整形外科学会で発表しました。このばね指手術の特殊なメスを開発した黒崎整形外科理事長 安永博先生は今回主催の大阪医科大学ご出身であり、そのご縁で本学会へ招待を受け、同様の内容で口演させていただきました。口演後は大阪医科大の先生方や参加先生に多くのご質問やご意見をいただき誠にありがとうございました。
学会会場は大阪駅に直結しており、写真左の巨大なグランフロント大阪の地下(矢印↓)にありました。あまりにもおしゃれな開催会場でしたので、思わず写真を撮ってまいりました。
第71回 日本農村医学会学術総会
○Lou Mervyn Tec1、Ian Magtoto1、村松 慶一1、小林 将人1、杉本 英彰1、谷 泰宏1
[O-1-65] 進行期手指狭窄性腱鞘炎に対する安永尖刀を用いた超音波エコーガイド下腱鞘切開術の治療成績
[O-1-69] 変形性膝関節症に対するジクロフェナクエタルヒアルロン酸関節内注射とヒアルロン酸関節内注射の比較検討
○小林 将人1、村松 慶一1、谷 泰宏1、杉本 英彰1、Ian Jason Magtoto1
[P-1-17] 巨大卵巣腫瘍による坐骨神経圧迫により、下肢痛を呈したと考えられた高齢女性の1例
[O-2-67] 多発膿瘍により長期臥床を強いられた予後予測不良な患者が独歩で在宅復帰した1例
[O-2-27] 頭低位における腕神経叢障害防止への取り組み
[WS-4] 医師事務作業補助者の業務内容及びスキルアップについて
第156回山口県整形外科医会
令和4年6月18日(土) ANAクラウンプラザホテル宇部にて 第156回山口県整形外科医会が開催されました。県内の整形外科医50名くらいが参加されました。当院から報告された口演は以下の3編です。
「Erosive Polyarticular Tophaceous Gout Presenting as Painless Masses of Both Hands」
長門総合病院 整形外科、手外科診療センター
Ian Jason C. Magtoto、村松慶一、小林将人、杉本英彰、谷泰宏
「手指パチニ神経腫の治療経験」
長門総合病院 整形外科、手外科診療センター
小林将人、村松慶一、谷泰宏、杉本英彰、Ian Jason Magtoto
「安永尖刀を再考する」
長門総合病院 整形外科、手外科診療センター
村松慶一,Ian Jason C. Magtoto, Ma. Felma Rayel, 小林将人、杉本英彰、谷泰宏
Ian先生は2022年4月から当院へご留学されているフィリピンの先生です。痛風は足趾に発生する「風が吹いても痛い」くらいの関節炎です。本例は手指の関節が溶けていくような、まれな変化を示した症例を経験しましたので報告しました。英語での素晴らしい発表態度で、いくつかの質問も頂きました。
小林先生は、指神経に生じたパチニ小体形成異常の発表をしました。内容は難しかったのですがですが、本演題もとても興味を持たれ、多くの質問をいただきました。大変有用な口演であったと思います。
第143回西日本整形・災害外科学会
病院長 村松慶一
本学会は九州・山口地区の整形外科医が集まる学会です。今回の開催は福岡で行われ、私の関係する骨軟部腫瘍部門だけピンポイントで参加しました。今回の学会も、万全なコロナ対応の中で学会が行われました。
口演名は「Tinel様徴候を主症状とした指神経発生腫瘍類似疾患」という題名でした。手にはとても痛みが出る腫瘍類似疾患ができます。これをどう見分けて?どう治療するか?という内容の発表をさせていただきました。当院には手と腫瘍の専門治療部門があります。他大学の先生方も、なかなか見ない病気の患者さんがいらっしゃいます。多くの質問をいただきまして、誠にありがとうございました。
第95回 日本整形外科学術集会
病院長 村松慶一
この度、整形外科では最も大きな学会である日整会学術集会(東京医科歯科大学主催)が開催され口演しました。演題名は「進行期手指狭窄性腱鞘炎に対する安永尖刀を用いた超音波エコーガイド下腱鞘切開術の治療成績」でした。
新型コロナウィルスの影響で学会がWeb上のみで開催されてきたのは、日本の医学会の発展に大きなマイナスでした。これはWebが悪いという意味ではなく、顔を突き合わせて議論をするということがいかに大切であったかを痛感しています。会場の神戸ポートピアホテルには全国から多くの整形外科医が参加し、久々に会った旧友と時間を共にしました。我々もWithコロナ時代に慣れてきたせいもあり、会場のコロナ対策は完璧で、毎日の検温は必須でしたし、食事も黙食を守っていました。
今回の学会テーマは「スマートな医学、スマートな整形外科学」でした。スマートには痩せているという意味と、賢いという意味があります。今後の日本医療を考えれば、コンパクトで賢い病院形態にモデルチェンジしていかねば生き残れないという示唆だと理解しました。特別企画には、柔道家の井上康生氏や、バレエの熊川哲也氏、料理家の坂井宏行シェフ等、著名人が患者さんとして参加されたシンポジウムがあり、視線が変わって大変勉強になりました。
第65回日本手外科学会
病院長 村松慶一
新型コロナウィルスの影響で、今年の手外科学会もWeb開催となりました。これで3年連続の縮小開催となりました。例年、全国から手の診療をされている熱い先生方が1000人以上学会に参加されますが、今回もかなりの先生がWeb参加となりました。
今回の開催は小倉でしたので、私の関係する部分だけピンポイントで参加しました。口演名は「安永尖刀を再考する」という題名で、手指腱鞘炎の手術方法について発表させていただきました。
今回の学会は計10会場ありましたが、時間が重なり全ての口演を聞くことはできません。しかし、Web開催であればすべての口演をパソコンで聞くことが可能です。コロナ時代が終わっても、このWeb開催は続いていくかもしれません。と言いましても、全ての講演を聞くには1か月は必要と思われますが。
第9回中部日本ハンドセラピィ研究会、第39回中部日本手外科研究会
病院長 村松慶一
新型コロナ オミクロン株の大流行で、本会は全てWeb開催となりました。本会は中部地方から近畿、中国、四国地方までの手を専門に治療する外科医とリハビリの先生が集まり、手の病気を徹底的に討論する会です。
当院からは、2つの口演をさせていただきました。
リハビリの井上清隆先生は「母指CM関節症の関節背側亜脱臼を矯正する新しいスプリントの実践」と題して、当院で新しく開発したオーダーメード装具の有効性を発表しました。親指の付け根にあるCM関節は変形しやすく、治療に難渋します。装具が第1選択ですが、市販の装具は患者さんにあまり喜ばれません。そこで井上先生は、このような装具を考案作成しました。これまで27人34手に治療し、痛みが軽くなり日常生活も楽になり、とても良い結果が得られました。すでに1年以上使用されている患者さんもおられ、当院では、これからもこの装具を応用していきたいと考えています。
第142回 西日本整形外科災害外科学会
私の口演は、「指尖部に発生したSatellite Ganglion Cyst」についてでした。12月も全九州で新型コロナウィルス新規感染者はほぼ出ていません。今後も厳戒体制のまま現地開催の学会が行われると思われます。
第5回アジア・パシフィック(環太平洋)微小血管外科学会
第155回 山口県整形外科医会
2021年秋には新型コロナウィルスの第5波が来ましたが、その後感染者数はほぼ落ち着いたため学会が厳重対策の下、現地開催となっています。今回、第155回 山口県整形外科医会が山口労災病院で開催され、当院整形外科より以下の3名が口演しました。原則的に演者は会場で、受講者はWeb聴講するハイブリッド形式で行われました。今回新任の杉本先生にも発表頂き、熱い討論が行われました。本学会会長の富永俊克先生、大変ご苦労様でした。
「前腕に発生する腱交差症候群の治療成績」
長門総合病院 整形外科
小林将人、村松慶一、谷泰宏、杉本英彰、Gaston Rose, Jasson Arcinue
「脛腓骨骨骨折に長母指伸筋単独麻痺を合併した1例」
長門総合病院 整形外科
杉本英彰、村松慶一、小林将人、谷泰宏、
「足趾、指尖部に発生した難治性Ganglion Cystの起源」
長門総合病院 整形外科
村松慶一、小林将人、杉本英彰、谷泰宏、Gaston Roce、Felma Rayel, Jasson Arcinue、
山口大学医学部臨床系特別専門講義
私は山口大学医学部臨床教授を拝命頂いており、医学部5年生に講義をしています。若い頃私は家族とともに、豪州、米国に留学し、必死に仕事をしてきました。今回学生さんには、「Internationalに活躍できる医師になるには-自分にしかできないSpecialistを目指して-」と題して90分の講義をしました。医学部の講義は専門的な講義ばかりですが、たまには国家試験には出ない内容も良いだろうと思い、この題名でお話ししました。以下がその内容です。
私は山口大学を昭和62年に卒業しましたが、なぜ地元福岡に帰らず山口に残ったのか?それは、在籍6年間で多くの親友を得た事と心から尊敬できる恩師と一緒に仕事がしたかったからです。
なぜ私が留学を夢見たのか?私が育った昭和の後半は、大東亜戦争に負けた日本がアメリカに追いつくために頑張ってきた時代です。私の両親世代の日本人がみんな同じ方向を向いて、成長していく姿を見ていてとても楽しかった。その中で海外へのあこがれが芽生えました。
最近、留学を志す日本人は少なくなりました。その理由はなぜか?グローバリゼーション、つまりネット社会で海外が近くなってしまい、あえて行く海外に必要性を感じなくなったと思います。これはいけません。海外に行けば、新しい価値観に芽生え、発想の転換力が付き、幅広い人脈ができます。海外に行くと新しい目で日本を見直すこともできます。
英語を話すという事は、語学力よりも会話を盛り上げる能力の方が大切です。アメリカ人は英文法の過ちに寛容です。日本語の論文は日本人しか読みません。しかし、英語の論文は全世界の人が目にします。どこの国でも、医師は医学の向上に貢献せねばならない義務があります。だから、英語の論文を書きましょう。
最後に、学生さんに医師になれば5つの事を忘れないでほしいと述べました。1)国際人となろう、2)医師が最も必要とされることは人格である、自分の揺るぎない医療哲学を持とう、3)医師が楽しく仕事をすれば患者さんも楽しくなる、4)医師はいつまでも医師らしくあるべき、一生、命の尊さを学ぶ、5)決して少年の心を捨てないようにしよう、研究では必要です。
学生さんにはちょっと難しい話だったかもしれませんが、正直に私の気持ちを後輩に伝えました。
第79回 中国・四国手外科症例検討会
病院長 村松慶一
本研究会は中国・四国にある各大学、病院の手外科専門医が集まり、診断や治療法に苦慮している症例を持ち合って討論する会です。毎年6月と11月に開催され、今回は79回でしたので約40年続いている歴史ある検討会という事になります。それだけ、我々手を専門とする外科医にとってこの症例検討会がいかに勉強になるかがおわかりになるかと思います。
今回の当番幹事が私でしたので司会を務め、まず前半で1例17分、計9例の検討会を行いました。いつもは一同会場に集まり、手外科医独特の熱い議論が交わされます。今回はコロナ対策でWeb開催でしたのでどうなるかと思っておりましたが、とてもスムーズに進み実になる討論ができたと思います。後半は聖隷浜松病院の大井宏之先生に「謎だらけのばね指」というタイトルで講演していただきました。おそらく100名以上の先生が参加されたと思います。次回80回は、ポストコロナ時代になり、一同岡山に集まり、熱い討論を楽めることを願っております。